【進路選びにも】介護施設の種類と仕事内容


京都医療専門学校には、医療分野での就職を目指せる医療事務・医療秘書科や、栄養に関する仕事を目指す栄養士科などがあります。
超高齢社会が進み、需要が高まっている介護業界で、これらの学科で取得した資格を活かせることを、ご存知でしょうか。
今回は、介護施設の種類や、仕事内容についてお伝えしたいと思います。

 

介護施設の種類を知ろう

私は栄養士学科2年生で、病院・福祉栄養コースを選択しているのですが、将来は、介護施設で高齢者の方々の健康をサポートする仕事がしたいと思っています。
介護施設と一口で言ってもその種類はさまざまで、利用する方の状態や、施設内での生活スタイル、施設側のサービスが施設の種類によって違いがあります。詳しく見ていきましょう。  

 

入居・入所介護施設

まずは、利用される高齢者の方が入居(あるいは入所)し、必要な介護サービスを受ける施設についてです。
これには、公共型と民間型があります。

 

公共型(介護保険施設)

●特別養護老人ホーム「特養」(介護老人福祉施設)
常時の介護が必要で、自宅での生活が困難な高齢者のための生活施設
●介護老人保健施設(老健)
病状が安定して入院医療の必要はないが、リハビリテーションや看護、介護を必要とする高齢者が在宅復帰を目指すための施設
●介護療養型医療施設
急性期の治療が終わり症状は安定しているが、医療や介護の必要性が高く、比較的長期の療養を必要とする高齢者が在宅復帰をするための療養施設(指定を受けた病院・診療所)

 

民間型

●介護付き有料老人ホーム
ホームの専門職員による「24時間体制・定額の包括的介護」や食事・生活支援等のサービスを受けられる介護施設
●住居型有料老人ホーム(住居系介護施設)
「入浴・排泄・食事の介護」「食事の提供」「健康管理」「洗濯・掃除等の家事」のいずれか1つ以上の生活支援サービスが付いている施設
●グループホーム
認知症高齢者が少人数で一つの生活単位「ユニット」を構成し、小規模な生活の場で食事・入浴・排泄等の介護サービスを受けながら生活する施設 家庭的な雰囲気の中での共同生活により、認知症の緩和促進を目的とする
●ケアハウス(介護型)
自炊ができない程度に身体機能が低下した方や高齢者向けの施設 独立した生活をするには不安が認められ、家族による援助を受けることが困難な利用者が、食事やその他の日常生活で必要なサービスを受けられる施設  

 

通所介護施設

利用される高齢者の方は別のところに居住し、必要に応じて通所(通う)する施設です。

●デイサービスセンター
自宅に住む高齢者が利用し、日中を過ごす施設。 利用者の方を自宅まで迎えに行き、食事や入浴、機能訓練などを行う。レクレーションなどを行い、自宅に引きこもりがちな高齢者の孤立感を解消するのがデイサービスの役目のひとつとなっている。 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)でデイサービスセンターを実施している場合もある。
●デイケア
リハビリテーションの必要性が高い方や、医療的なケアを必要とする方が通う施設。
介護老人保健施設や、病院、診療所が運営し、介護職のほかに理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師なども勤務している。
主な介護施設を紹介しましたが、自宅以外で高齢者が暮らす施設は、大きく住宅系※1と施設系※2に分けられますが、高齢者向け住まいの種類によって、入居・入所時に対象となる要介護度が異なり、利用できるサービスや月ごとの費用も異なっています。  

※1住宅系:安心できる居住スペースを提供することを、一番の目的としている。 介護サービスに関しては、外部の介護サービス事業者による訪問介護や通所介護などを、入居者自身が個別に契約して利用することになる。

※2施設系:24時間体制の包括的介護サービスの提供を、一番の目的としている。 施設の種類ごとに対象となる利用者像は異なるが、要介護度が中等度以上の方でも入居が可能  

 

多種類のスペシャリストが集まる介護施設

次に、介護施設での仕事には、どんな種類があるのかを見ていきます。
ここでは、上に挙げた中でも、施設内において利用者の方に対して医学的管理が行われている、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護療養型医療施設について見ていきたいと思います。

 

高齢者やその家族の方を支える人たち

介護施設では、高齢者の生活や健康をサポートするために、多種類の専門職のスタッフが、チームとなりケアサービスを提供するという特徴があります。
医療・福祉・介護など、それぞれの専門性を発揮しながら連携することにより、ケアの向上が図られています。

 

医療系職種

●医師
医師にしかできない診断や治療を行い、看護職や専門職スタッフへの指示を出すなど、チームの中心として全体をコーディネートする役割がある。
●看護師
介護施設では、看護師と准看護師の2種類の看護師が働いている。
主に医師のサポート役として利用者の医学的管理を行うが、介護施設は病院と比べ医師の配置数が少ないため、看護師は医学的な知識を持つスタッフとして、ケアチームのリーダー的な役割を果たし、活躍している。
●リハビリテーションの専門職
リハビリ専門スタッフとして、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が配置されている。
スタッフは、利用者の方の状況に合わせたリハビリを提供する他、日常生活で実践できるリハビリ法を、高齢者や介護職員にアドバイスするなどの役割も担っている。
多くの高齢者の方が直面する症状に認知症があるが、認知機能のスペシャリストとして臨床心理士が在籍し、認知症ケアを行っている施設もある。
●管理栄養士・栄養士
介護施設の管理栄養士・栄養士は、施設で提供するすべての食事に関わる。高齢者それぞれの体調や状況を把握した上で、介護職員など他スタッフと連携しながら、利用者一人ひとりに合った食事を提供している。
●薬剤師、歯科衛生士
調剤・服薬の専門職である薬剤師や、口腔ケアの専門職である歯科衛生士が在籍している介護施設もある。  

 

福祉系職種

●介護福祉士
介護施設での職種としてイメージされやすいのが、介護福祉士という仕事。
その業務は、利用者の方の生活のサポートを主とするため、施設内でもっとも人数が多く、食事・排泄・清潔など日常的な身の回りのことなど、ほとんどのケアを担当している。
●支援相談員
支援相談員とはソーシャルワーカーとも呼ばれる。
入居する際の窓口となり、また入居後は利用者やご家族から相談を受けながら、両者をサポートする。
具体的には、施設見学の際の説明や、契約および行政的な手続きを行うなど、業務内容は多岐に渡っている。
●介護支援専門員(ケアマネージャー)
介護支援専門員とは、介護保険制度の発足と同時にできた職種で、主に「介護サービス計画書(ケアプラン)」を作成する業務を担当している。
支援相談員からは利用者や家族の希望などの情報を、介護職員や看護師、リハビリ専門スタッフなどからは利用者の客観的な情報を聞き取り、利用者に合ったケアプランを作成する。

 

運営を支える人たち

介護施設における仕事というと、介護に関する職種に目が行きがちですが、運営に関わりながら施設を支える人たちもいます。

●施設長
介護施設内でのトップ。その仕事内容は主に管理業務であり、介護業務や収支、人材のマネジメントを行っている。
●介護事務
介護施設における事務全般を担当する。
主な業務は「介護報酬請求業務(レセプト作成)」。
介護保険制度に基づいて、国や自治体、利用者がそれぞれ負担する代金を計算する。
その他にも、受付・会計業務など、業務は多岐に渡る。

 

介護施設の就職で役に立つ!京都栄養医療専門学校で目指せる資格の種類

介護施設と言えば介護関連の仕事のイメージが大きいかもしれませんが、これらの職種の中には、京都栄養医療専門学校で目指せる資格があります。

 

事務や栄養面から関わる

上で紹介した介護施設での仕事の種類の中で、京都栄養医療専門学校で目指せる資格には「介護事務」があります。
介護施設での介護事務の主な業務は前述の通り「介護報酬請求業務」です。

これは、医療機関における診療報酬請求業務を行う医療事務と、似た様な意味合いを持ちます。
介護保険制度に基づき、利用された介護サービスから実際の費用を計算し、利用者には1割(または2割)、国民健康保険団体連合会には9割(または8割)を請求するという流れです。
その他に医療事務と同じく、電話応対などの受付業務も担当します。
介護事務として働く上で、絶対に必要な資格や学歴はありませんが、就職の際にはやはり専門的な知識があったほうが有利でしょう。

 

同級生の中には、医療事務・医療秘書科に通う友人もいます。
その友人は、診療報酬請求業務など医療事務に必要とされる専門知識をしっかりと身につけた上で、「福祉事務管理技能検定」を受けたりと、将来、自分が働くフィールドの幅を広げるために、プランをしっかりと持ちながら資格取得に励んでいます。

また、介護施設における介護事務は、高齢者とのコミュニケーションや、行動への手助けをするのも大きな仕事のひとつです。
介護事務の専門知識があり、さらに高齢者の方と関わるのが好きな方には、とても適した仕事ではないでしょうか。

日本での介護保険制度は2000年からスタートし、今もまだ「介護報酬請求業務」を専門的に行う介護事務に注目が高まっています。
今後、高齢化がますます進む中で、介護保険制度に関する知識や、介護事務自体の需要はさらに高まっていくのではないでしょうか。

 

もうひとつ、介護施設で働くための資格として、目指せるものが「管理栄養士・栄養士」です。
中でも高齢者福祉施設栄養士と呼ばれる職種は、介護老人福祉施設・介護老人保健施設・有料老人ホーム・ケアハウス・グループホームなど、利用者さんへの食事提供のサービスを行っている施設で働くことができます。

施設によっては、外部の御者に委託し食事を提供するところもあります。主な業務は、年齢や体の状態に適した食事の献立づくりと調理で、高齢者の方の健康を支えています。  
介護施設へのニーズが高まる現在、より良いサービスを提供するために食事面に力を入れる施設が増えており、栄養士や管理栄養士にとって求められるスキルはますます高くなっています。

 

高齢者の方に提供する食事は、いわゆる「介護食」と言われるものですが、これは栄養と形態に工夫がなされた食事です。
免疫力が低下しがちな高齢者の方は、若者の食事よりも、栄養面で十分に気を配る必要がありますし、食べる機能(噛む、飲み込むなど)の状態に合わせて食材の大きさや食べやすさなどにも工夫を施すため、調理に関する技術も身につけておく必要があります。

 

高齢者社会において栄養士として貢献するには

介護施設で働く「高齢者福祉施設栄養士」になるためには、管理栄養士、栄養士の資格を取得しなくてはなりません。
京都栄養医療専門学校では、栄養学や衛生学など栄養士になるための基礎的な知識を身につけた上で、2年次には福祉栄養学という授業で高齢者の栄養や健康に関わることを詳しく学ぶことができます。
具体的には、高齢者の栄養ケアマネジメントの手法や、認知症、摂食・嚥下障害、骨粗鬆症など高齢者特有の症状について学びます。

 

また、管理栄養士・栄養士はコミュニケーション能力も求められる職種です。
利用者の方に喜んでいただけるような食事を提供するためには、利用者の状態を把握している介護スタッフや、利用者の方と上手くコミュニケーションを取ることで、生の声を聞くことも大切なのです。

日頃から上手なコミュニケーションが取れれば、利用者の方から「食べづらかった」という声を聞くことができます。
さらに、利用者の実際の運動量などから、今の食事量が適正かどうかなど、介護士からも情報を入手することもできるのです。
福祉栄養学の授業では、このような介護施設内におけるコミュニケーションや、多職種との連携を行う上での栄養士や管理栄養士の位置づけも学ぶことができます。

 

その上で、病院福祉栄養実習では実際に、病院食や介護食の調理実習を行います。
私は、やはり実習の授業が一番好きで、食事の計画から調理、評価まで全て行い、楽しみながら実践的な技能を身につけています。
先日は介護食の種類について学び、実際に調理しました。
高齢者の方のための食事の大切さと、栄養士として高齢者の方の健康に貢献できるということを、実感しました。

 

いかがでしょうか。
介護施設にはさまざまな施設があり、多職種が協力しあって高齢者の方の生活を支えている、ということがお分かりいただけたと思います。
医療事務や栄養士の資格をどのような職場で活かすのか、自分が目指す「働き方」を想像しながら、進路を考えることができたらいいですね。

>>医療事務・医療秘書科について
>>栄養士科について
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