最近、医療関係者でなくても耳にすることがある「チーム医療」という言葉。
メディアにも出てきますので、耳にしたことのある方も多いでしょう。
でも一体、チーム医療とは何をするものなのでしょうか。
今回は、これからますます注目される「チーム医療」 について、京都栄養医療専門学校に通う、診療情報管理コースの私が調べてみました。
まずはチーム医療がどんなものであるかをお伝えします。
チーム医療とは、患者さんとその家族を中心にして、それをとりまく医師をはじめ高い専門性を持ったスタッフが、目的や情報の共有、業務の分担をし、患者さんの状況に最適の医療を提供することです。
患者さん一人ひとりを見れば、病気やケガの症状に違いはありますが、患者さんやそのご家族は、病気やケガに対する肉体的な苦痛、精神的・心理的な問題、社会的・経済的な不安を抱えていることが多いものです。
これらの問題に専門的な立場から、たくさんの職種が関わり、医療を提供することをチーム医療といます。
従来、日本の医療は医師の診療を中心にしておこなわれ、患者さんの療養のお世話については看護師や家族、付添人などに任され、医療とは別のものとして捉えられてきました。
時代が進み、医療そのものの近代化が急速に進み、医療専門職の職種も増えていったことによって、さまざまな専門分野が導入されるようになっていき、互いに協力することの重要性が認識させていくようになっていきました。
特にリハビリテーション医療の分野では、専門職どうしチームワークの重要性が実感となっていったようです。
今から20年ほど前になると、医療の内容を外部評価する仕組みが広がったことや、医療情報のIT化が進んでいく中で、チーム医療への動きが加速していきました。
体制だけでなく、法律や制度などの改善や、医師だけに偏らない医療スタッフの対等性、診療報酬面での加算もチーム医療推進の要因となっています 。
専門的な知識やスキルを持つさまざまな職種の人たちが、いろいろなチーム医療を実践しています。
実際に活動しているチームはたくさんありますが、一例として次のようなものがあります。
医師から余命が限られているという宣告を受けた患者さんを対象に、身体的症状、心理・社会的問題、スピリチュアルな症状といったQOL(生活の質・人生の質)を向上・改善させることを目的に活動するチーム
(参加メンバー)
医師 看護師 医療ソーシャルワーカー 管理栄養士 薬剤師 救急救命士 歯科医師 歯科衛生士 作業療法士 作業療法士 理学療法士 臨床心理士 臨床検査技師など
栄養状態が悪い患者さんや食欲が低下している患者さんを対象に、適切な栄養管理をおこなう。全身状態の改善と合併症の予防を目的に活動するチーム
(参加メンバー)
医師 看護師 医療ソーシャルワーカー 管理栄養士 歯科医師 歯科衛生士 言語聴覚士 作業療法士 救急救命士 理学療法士 臨床検査技師 臨床工学士 薬剤師など
チーム医療は国の後押しもあって、導入されている施設も増えてきています。
その道のエキスパートたちが各自の専門分野の知恵を出し合い、問題解決に臨むチーム医療ですが、専門的な知識やスキルと同じようにチーム医療を支えるものがあります。それは、互いに信頼するということです。
たとえば栄養サポートチームでは、医師の立場では、出した食事箋どおりの食事が提供されている「はず」、
看護師の立場では、食事箋どおりの食事を自分は提供している 「はず」、
管理栄養士の立場では、栄養治療として作成した献立に則った食事が作られている「はず」、
というふうに、そこにはたくさんの 「はず」 の上に成り立っていると思うのです。
今後、チーム医療は施設を出て、他の医療機関との間での活動が必要になってくるといわれています。
そうなれば、ますますチームとしての信頼が問われることになるのです。
厚生労働省チーム医療の推進について (チーム医療の推進に関する検討会 報告書) https://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/03/dl/s0319-9a.pdf
日本保健医療行動科学会 チーム医療
http://www.jahbs.info/TB2017/TB2017%201-5-1.pdf
公益社団法人日本病院協会 チーム医療
https://www.ajha.or.jp/guide/pdf/080821.pdf
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