栄養バランスについて考えよう


皆さんは日頃から食事について、どのようなことに気を付けていますか?
栄養バランスや食べる量に気を使う方は多いのではないでしょうかほっとした顔
今回は、栄養バランスのとれた食生活を送るにはどうしたらよいのかお伝えしたいと思います。

栄養バランスが大切なのはなぜ?

栄養の役割とは

私たちは食事を摂ることで、さまざまな栄養を身体に取り込み活動することができます走る人
このように食事は、私たちの生活にとって非常に大きな役割を持っていますが、ただやみくもに食事をとればよい、というわけではありません。
栄養の役割を知り、正しい食生活を送ることで、丈夫な身体をつくり、健康を維持することができるのです。

栄養とは何なのか、まずは栄養の役割と大切さについて考えてみましょう。
まず一つ目として、栄養には身体と精神の働きを整える役割があります。
例えば、鉄分の不足により貧血やだるさなどの症状を招いたり、ビタミンB群の不足がもの忘れの原因となることもあるのです。

もうひとつの役割として、病気の予防があります。
脂っこいもの、甘いものの摂りすぎは肥満や糖尿病などにつながる可能性があります。
また塩分の摂りすぎは高血圧を招き、脳卒中や心筋梗塞などの病気のリスクを高めてしまいます。
このような病気を予防するためにも、栄養バランスについて正しく理解することがとても重要なのです考えてる顔

五大栄養素とは

主な栄養素として、5大栄養素をご存知でしょうか。
5大栄養素とは、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルの5つの栄養素のことです。
それぞれについて少し詳しくみていきます。

 

炭水化物

炭水化物は、私たちが活動するエネルギー源となるものです。
炭水化物は、消化吸収されると血中で糖となり、身体や脳のガソリンとして働きます。
食事を抜くと、集中力が低下したりイライラしたりするのは、血中の糖が減少してしまうことが原因です。
一般的に日本人は炭水化物から60%ほどのエネルギーを摂取していると言われています。
炭水化物は主に、米、小麦、いも類、とうもろこしなどに含まれています。

 

たんぱく質

たんぱく質は、身体を作るのに必要な栄養素です。
たんぱく質は動物性と植物性に分かれており、それぞれが含まれる主な食材には、次のようなものがあります。

  • 動物性たんぱく質:肉や魚介類、卵、乳製品など
  • 植物性たんぱく質:穀類や豆類など

これらは体内に取り入れられるとアミノ酸に分解され、筋肉や皮膚、爪、髪などの原料や、ホルモンや酵素を作る物質となります。

 

脂質

脂質は、脳の機能やビタミンの運搬に必要な栄養素です。
また、その性質から体温を保ち、臓器を保護するクッションの役割にもなります。
脂質は炭水化物やたんぱく質よりもエネルギー効率が良い栄養素ですが、摂りすぎると肥満の原因となるので注意が必要です。
また、極端に不足すると、皮膚の乾燥や抜け毛の原因になります。
脂質の摂取は多すぎず少なすぎず、を心がけましょう。

 

ビタミン

ビタミンは、生命活動に不可欠な栄養素で、身体の成長や心の健康に関係しています。
ビタミンには13種類あり、たんぱく質・糖質・脂質の代謝をスムーズに行う役割があります。
また、新陳代謝を促し、皮膚や血管、鼓膜、骨などを健康に保つ働きがあります。
しかし、ビタミンは体内でほとんど合成することができないため、食事から摂取する必要があります。
ビタミンが不足すると他の栄養素の代謝も上手くできず、さまざまな不調や、欠乏症を起こすことがありますので注意が必要です。

 

ミネラル

ミネラルは、骨や歯を構成成分であり、神経の伝達など、体の働きに大きく関わっています。
多くのミネラルは生命活動に必要不可欠なものであることから「必須ミネラル」と呼ばれており、食事から摂取する必要があります。 不足しがちなミネラルにカルシウム、摂りすぎる傾向があるものにナトリウム、リンがあります。  

栄養素の働きについて

5大栄養素についてお伝えしましたが、私たちが生きていくために必要なこれらの栄養素は

  • エネルギーになる栄養素
  • 体をつくる栄養素
  • 体の調子を整える

の3つに分けられます。
これら3つのグループが相互に関係して作用するため、バランスよく摂ることが大切なのです。
詳しく見ていきましょう。  

 

「エネルギーになる栄養素」

エネルギ―になる栄養素は、炭水化物・脂質・タンパク質で、主なエネルギー源となるのが炭水化物と脂質です。
糖質や脂質は体と脳が働くために大切なエネルギーですが、摂りすぎは肥満や生活習慣病などを引き起こす可能性があります。
とはいえ、ダイエットや美容のために極端に減らすことも体の不調を招いてしまいますので注意が必要です。  

 

「体を作る栄養素」

たんぱく質は、筋肉や血管、内蔵などの組織をつくる材料となるものです。
体内の古い細胞は壊れて、新しい細胞を作るため、常に、しっかりとたんぱく質を摂る必要があります。
高齢者はたんぱく質の摂取が少なくなりがちですが、低栄養状態を引き起こしてしまいますので注意しましょう。  

 

「体の調子を整える栄養素」

ビタミンやミネラルは、炭水化物からエネルギーを作り出し、たんぱく質で組織を構成する際に必要な栄養素ですが、摂りすぎると他の栄養素の吸収を阻害することがあります。
ビタミン・ミネラルは、現代の食生活で不足がちとはいえ、サプリメントなどの過剰摂取は危険です。
日頃の食事で、野菜や果物などからバランスよく取り入れることを心がけましょう。  

栄養バランスの良い食事をとるために

主食・主菜・副菜が基本

五大栄養素の役割や特徴についてご理解いただけたと思いますが、実際に日々の食事に活かすとなると、少し難しく感じるかもしれません。
栄養バランスの良い食事をとるには、どのようなことに気を付けたらよいのでしょうか。

日本人の伝統的な食文化である「一汁三菜」は、栄養バランスのとれた理想的な食事スタイルだと言われています。
一汁三菜とは、下のように主食・主菜・副菜・汁物を基本としています。

主食(ご飯、パン、麺類などエネルギー源となる炭水化物を含む料理)
主菜(肉、魚、卵、大豆製品など、たんぱく質や脂質を含む料理)
副菜(野菜、きのこ、海藻など、ビタミン・ミネラル・食物繊維を含む料理)
汁物

メニューを考える際はこのように主食・主菜・副菜を意識しながら、5大栄養素を中心にバランスよく組み合わせるのがポイントです。
不足した栄養素があれば汁物を追加することで、栄養バランスの取れた食事へと近づくことができます。
主食・主菜・副菜をバランスよく組み合わせるコツとして、栄養素ごとに3色でグループ分けをする方法があります。

黄グループ・・・炭水化物
赤グループ・・・たんぱく質・脂質
緑グループ・・・ビタミン・ミネラル

この3色で分類される食品を偏りなく取り入れることで、栄養バランスよく食事をとることができます。
また、食材を選ぶときは加工度の低いものを意識的に選ぶことも大切です。
日頃の食習慣として、摂取しすぎに気をつけた方が良い食品があります。
炭水化物では、お菓子、菓子パンなどです。
これらは糖分の摂りすぎとなる可能性があります。
たんぱく質では脂身の多い肉や、から揚げやフライなどの揚げ物、ハムやウィンナー、ベーコンなどの加工食品です。
加工食品を選ぶ際は、肉、魚など元の食材の原型に近いものを選びましょう。
ミネラルでは、インスタントフードや加工食品です。
摂りすぎるとリンやナトリウムの過剰摂取となり、血圧や骨の健康に影響がありますので注意が必要です。  

 

朝食は大切です

一日三食すべて栄養バランスのとれた食事をとることができれば、一番理想的ではありますが、実践するのはなかなか難しいものです。一日の食事の中で簡単に済ませがちなのが朝食ではないでしょうか晴れ

しかし朝食は、私たちの身体にとって大切な役割を果たしています。
私たちは睡眠中に低下した体温を、朝食を食べることによって身体のウォーミングアップをはかっています。
また、朝起きたばかりのときは頭がボーっとしているのは、睡眠中にブドウ糖が使われて脳の働きが低下している状態です。
脳はブドウ糖を消費して活動しています。朝食を抜いてしまうと、午前中はこのようなエネルギー代謝の低い状態が続くことになり、仕事や勉強に集中できなくなるのです。
一日を活動的に過ごすためには、朝食をしっかり摂ることで脳のエネルギー源となるブドウ糖を補給し、身体と脳をしっかりと目覚めさせることが大切なのです。

朝の忙しい時間に朝食を用意するのは大変ですが、ポイントを押さえるだけで簡単に栄養バランスのとれた朝食を摂ることができます。まずは、下の3つのグループを意識しながらメニューを考えましょう。

◆炭水化物:ごはんやパン
◆たんぱく質:牛乳、チーズ、ヨーグルト、卵、ハムやベーコン
◆ビタミン・ミネラル類:野菜・くだもの

また、私たちの体には体内時計というものがあることをご存知でしょうか。
体内時計とは、体温や睡眠などの変化をつかさどる機能で、私たちの「体内リズム」に大きく関わっています。
私たちの「生活リズム」と「体内リズム」にズレが生じると、心とからだのバランスを上手く保てなくなることがあります。
このズレをなくすためにも、朝食はとても重要な役割を持っています。

また朝食をしっかりと食べるためには、夕食の時間にも気をつけましょう。
夕食が遅いと、朝お腹が空かない→朝食が食べられない、という悪循環が起こってしまうからです。
一日を活動的に快適に過ごすために、朝食の栄養バランスに気を付けて正しい生活リズムを身につけることが大切なのです。  

 

食べ方のクセを知ろう

栄養バランスのとれた食生活を送るためには、主食・主菜・副菜を揃えることが大切だと分かっていても、普段の食事を選ぶとき、好きなものや同じものになりがちですがまん顔
栄養バランスや栄養素の過不足に気づくためには、自分が何を食べたのか日々の食事を振り返る習慣をつけることです。
そうすることで、自分の食べ方のクセに気づくことができます。
下に挙げた食べ方のクセ、あなたにも思い当たることがありませんか?

  • ・朝食を抜きがち
  • ・お肉が好きで野菜の摂取が少ない
  • ・お昼は麺類をよく食べる
  • ・間食が多い
  • ・ごはん、麺類など炭水化物が好き
  • ・食べるメニューが偏っている

このような自分の食べ方のクセに気づいたら、摂りすぎているものは控える、足りないものは意識的に取り入れることで、栄養バランスを改善することができるでしょうひらめき

 

栄養バランスの改善のために

1食1食にこだわるのではなく、1日でトータル的に食事を考えよう

栄養バランスのよい食事を摂ることはとても大切なことですが、毎食完璧に摂るのは難しいですものです。
栄養の偏りを過剰に気にするあまり、食事自体がストレスになってしまっては意味がありません。
忙しい日には思うような栄養バランスのよい食事がとれない時もあるでしょう。

そのようなときは、次の食事や、翌日の食事で足らなかった食べ物を補い、バランスを調整してみましょう。
その反対に、お昼に炭水化物を摂りすぎたなぁと思ったときは、夕飯でご飯をいつもより少なめにする、などちょっとした心がけが大切です。
食事のメニューは、一食一食栄養バランスを考えるのが理想的ではありますが、1日ごとや1週間ごとに必要な栄養素を摂るつもりでトータル的に意識することも長く続けるためのポイントなのですぴかぴか (新しい)

 

コンビニご飯も活用できる!?

食事の栄養バランスは気になるけど、時間が無かったり、料理が面倒な時もあります。
そのような時はコンビニを利用するのもひとつの手です。最近のコンビニの総菜や食品は、種類も味も非常に充実しています。

とはいえ、コンビニのご飯と考えると栄養が偏りがちなイメージがあるかもしれませんが、選び方にちょっとだけ工夫することで、バランスよい食事することが可能なのです。
先にお話しした食事のポイント、主食・主菜・副菜を基本にしながら選びましょう。

 

朝食の例

主食:おにぎりまたはパン
主菜:ゆでたまご、チーズ、ヨーグルト
副菜:野菜サラダ、くだもの

このように、主食・主菜・副菜をうまく組み合わせることで、しっかりとした朝食を摂ることができます。
ゆで卵やチーズの入ったサンドイッチなら、一石二鳥かもしれませんね。  

 

昼食の例

主食:おにぎり・パン
主菜・副菜:具だくさんの豚汁またはミネストローネ、
副菜:野菜サラダ
具たくさんのスープは、主菜と副菜を兼ねることができ、忙しいお昼にはおすすめの組み合わせです。また野菜サラダは、野菜ジュースで代用する人もいますが、塩分には少し注意してみてください。  

 

夕飯の例

主食:パックご飯
主菜:焼きサバまたはサラダチキン
副菜:野菜サラダ・ごぼうのきんぴら・コールスロー・わかめスープ

主菜は肉や魚、副菜には数品の総菜を選ぶことでバリエーションを楽しむことができます。
栄養バランスの基本を理解していれば、コンビニのご飯も多いに活用できることが分かります。
また、外食する際も同じで、主食・主菜・副菜を意識しながらメニューを選びましょう。
和食の定食スタイルのメニューを意識しながら選ぶと良いでしょう。    

いかがでしたか?
栄養バランスを考えることは難しいイメージがありますが、基本を知っていれば意外に簡単だということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
まずは1日のうち1食から、食事の改善を始めてみませんか?

>>栄養士の就職先について
こちらもオススメです。

 

参考サイト
糖尿病ネットワーク
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2010/009743.php  
明治の食育 まずは朝食を摂りましょう
https://www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/exp/diagnosis/tyousyoku/  
農林水産省 子どもの食育
http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/oneday/morning1.html  
明治の食育 バランスのよい食事ってなんだろう?!
https://www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/exp/diagnosis/balance/ 

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