栄養士になるための専門学校は、栄養のことばかり勉強している、というイメージがありませんか?
わたしも入学して初めて知りましたが、栄養士科では、栄養だけでなく、衛生、病気などに関するさまざまな科目を勉強しています
今回はその中のひとつ「公衆衛生学」についてご紹介したいと思います
京都栄養医療専門学校の栄養士科では2年間の課程の中で「公衆衛生学」という科目を学びます。
これがどのような授業なのか、想像できますか。
まずは、公衆衛生学とはどのような学問なのかを見ていきましょう。
「衛生」という言葉には「生命や生活をまもる」という意味があります。
すなわち「衛生学」とは、生命や生活をまもるための学問、ということです。
もう一つの「公衆」という言葉ですが、「社会一般の人々」を意味しています。
つまり、「私たち人間の健康を維持・増進し、さまざまな病気を予防するために必要な基礎知識を学ぶ学問」、というところでしょうか。
わたしたちが住む日本は、世界の中でも「公衆衛生」が比較的守られている国だと思います
水道水は普通に飲めますし、お寿司などの生ものが普通に食べられる国は、少ないのではないでしょうか
日本において、公衆衛生という意識が広まったのは明治以降のことです。
さらに近代化し、現在の日本の公衆衛生の基礎作りになったのが、第二次世界大戦後。占領軍による占領政策の一環として公衆衛生対策が重視されたことによって、日本の公衆衛生は急速に進展することになりました。
1946年に制定された日本国憲法の25条には
とあります。これをきっかけとして、公衆衛生を実現するために、特に医師・歯科医師・薬剤師・看護師などへの公衆衛生教育がさかんになったのだそうです。
そして栄養士・管理栄養士も、人の食に密接に関わる、公衆衛生の現場で仕事をすることが多い職種です
そのため、1947年に制定された栄養士法で、栄養士・管理栄養士の教育課程の中で公衆衛生学が必要科目の一つになったのです。
次に、公衆衛生学の授業で実際にわたしたちがどのようなことを学んでいるのか、分かりやすくご紹介したいと思います。
公衆衛生学の授業をざっくり捉えると、社会や環境が、わたしたち人間の健康におよぼす影響についての知識を深めていきます。
そして、人間の健康を維持するためには、社会や環境がどうあるべきかについて考える、そのような授業です。
栄養の分野というよりは、保健や医療に関する分野といえるでしょう。
環境と健康についての授業では、環境汚染や、公害についても学びます。
わたしたちが健康に生活していくためには、周りの環境が大きく影響します。
最近では温暖化によって起こる異常気象も問題になっていますよね
授業では、このような地球規模での環境問題についても理解を深め、どのような対策を立てたら良いのか、ということも考えていきます。
公衆衛生学は、単に病気や衛生について学ぶだけではありません。
わたしたちの生活を、社会や環境、広くは生態系の中に「人」を位置づけて学ぶことで、幅広い知識や考え方ができるようになる授業だと思います
公衆衛生学の授業の中では、疫学についての授業もあり、さまざまな疾患や、その原因などについて学びました。
その中でも、一番興味深かったのは、生活習慣病についての授業です。
わたしが、将来栄養士になって、病院で働きたいと思ったきっかけのひとつに、わたしの父親がメタボだった、ということがあります。病院の検査では糖尿病の危険性を指摘され、父の食事管理に気を付ける母の姿を見てきました。
幸い、母の苦労と父のがんばりの結果、検査の数値もずいぶん回復しているようですが、糖尿病などの生活習慣病は、運動不足や肥満などが原因となり引き起こされることが多い病気です。
この授業では、わたしたちが健康な生活を送るためには、正しい生活習慣への理解を深めて、身につけていくことが大事だ、ということを改めて知りました。
わたしは、食習慣の改善や運動によって、健康を取り戻していくケースを身近に経験しましたが、将来は栄養士になって、患者さんや高齢者の方を含む、多くの人の健康維持に貢献し、健康に導いていく仕事がしたい、と思っています
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