小児クラークとは?普通のクラークとの違いは?



医療機関で働く人の中には、多くの職種があります。
特に、総合病院や大学病院などの病院施設では“○○クラーク”というように、“クラーク”と名の付く業務を任されている人がたくさんいるのを見かけます。
施設によっては、たくさんの“クラーク”を統括して“医療クラーク”として部門化されている場合もあります。
そんな中でもちょっと珍しい「小児クラーク」について、お伝えします。

 

小児クラークとは、どのような仕事をする人?

具体的な「小児クラーク」の話の前に、まずはクラークという仕事そのものについて、ちょっと復習したいと思います。
クラークという言葉そのものとしては「事務員」という意味を持っています。
>>【過去の記事】クラークって?

医療機関でのクラークは、もちろん事務員としての役割もありますが、それだけでなく、他にも多くの業務を担当します。

さらには“○○クラーク”の○○に入る担当部署によって、業務が細かく分かれてることがあります。
例えば「外来クラーク」なら、仕事の場は外来のカウンターを中心としたところ。
規模の大きな施設であれば、総合受付の後は、受診する診療科ごとにもカウンターが設けてありますよね。
そこで患者さんの対応から、案内、書類の作成などを行います。
また、検査室や医事課などの他部署や、医師や看護師などの他職種の人たちとの橋渡しのような役割を担います。
外来業務のサポート部隊といったところでしょうか。

同じように「小児クラーク」を考えてみましょう。
仕事の場は「小児科」や「産婦人科」の外来や病棟など、小児が患者さんであるところということになりますね。
小児の患者さんと接しながら、例えば診察前の簡単な問診や、保育、診察で使った器具や薬剤の片付け、書類作成などを業務としています。
これまでは看護師が行ってきた業務の中で、看護師でなければできない本来の業務以外を補助するイメージです。
看護師が医療業務に専念できるよう、業務の負担を分けた形になっています。

小児クラークは、どんな人に向いている?

そもそも医療機関という場所は患者さんにとっては、楽しい場ではありません。
心や身体に何らかの不調があるから訪れている場所だからです。
大人でも、不安な気持ちや落ち着かない心持ちで過ごしているものです。こうした気持ちに寄り添い、少しでも気持ちよく病院をあとにしてもらうことが、医療機関で仕事をする人が目指すところだと思います。

これが、子どもであればなおさらのこと。
子どもは「病院=お医者さん」そのものに恐怖を感じていたりすることもあると思うのです。
ですから、「小児クラーク」を目指せる人・向いている人というのは、第一に“患者さんたちの気持ちを理解し共感し寄り添える人”だと思います。
また、 “誰かの役に立つ仕事がしたい”と思っている人”も、「小児クラーク」に向いているのではないでしょうか。

小児はひとりきりで診療を受けに来ることはありません。
小児患者さんのケアをすることは、そこに付き添う保護者をケアすることにもなります。
さらには、患者さんや保護者など付き添いの方の不安な気持ちを少しでも和らげて、受診に専念してもらうことで、医療スタッフは医療業務に専念できるわけです。
「小児クラーク」の仕事次第で、たくさんの人の役に立つということになるのですから、“役に立つ仕事をしたい”という気持ちへの答えがあります。

小児クラークになりたい!どうすれば良い?

「小児クラーク」に向いている人として挙げた2つは、“こんな気持ちを持つ人”という側面から考えてみましたが、それだけでは不十分ですよね。
もちろん他にも必要とされるものがあります。
先にお伝えしたとおり、クラーク業務には事務的な側面もありますので、医療機関で事務として仕事をする以上、事務処理能力や医療事務の基本的な知識も必要でしょう。
「小児クラーク」については看護師の補助的な役割をも持つ仕事ですから、医療や医学・看護の知識はもちろん必要となるでしょう。
小児患者さんがケアの対象になるわけですから、保育の理論や小児特有の医学知識や小児の精神的・身体的な発達の知識もあれば、なお自信をもって仕事に取り組めるのではないでしょうか。

「小児クラーク」のような医療機関での仕事に就きたい人は、基礎となる知識やスキルに加え、専門的な学習を進めていくことになります。
それには独学、大学、短大、専門学校、通信講座などいくつかの手段がありますが、専門的な内容を学べる学校へ進学するのをお勧めします。

 

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