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【祝!】京都栄養の先生がトピックス賞を受賞しました!!

2021年06月22日

みなさん、こんにちは!
大変嬉しいニュースです!このたび本年度日本栄養食糧学会大会に、京都栄養医療専門学校の河合 菜月先生、成田 宏史先生らのグループがエントリーした演題「重症果物アレルゲンGibberellin Regulated ProteinのRT-qPCRによる発現解析」がトピックス賞を受賞しました!

トピックス賞とは?

話題性・実用性の高い研究結果を世間に公開することによる社会貢献を目的に、公益社団法人日本栄養・食糧学会が授与する栄養科学・食糧科学の賞。

どんな研究をして、何が大変だったのかなど、実際に研究に携わった河合 菜月先生にお話を聞いてみました!

Q:どんな研究ですか?

近頃、果物によってアレルギーを発症する患者さんが増えています。特にモモなどは、アナフィラキシーショックにまで至る重症の患者さんもいます。そこで私達は、モモの重症化アレルゲン(アレルギーの原因になるタンパク質)がGRP(Gibberellin Regulated Protein:ジベレリン制御タンパク質)であることを明らかにしてきました。最近そのGRPが、花粉症と関連している可能性が示され、世界中で注目されています。

私達の強みの一つは、目的とするアレルゲンにだけ反応するモノクローナル抗体というものを作製し、それを使って食品に含まれるアレルゲンの量を測定できることです。これまでGRPに対するモノクローナル抗体を使って、様々な果物・野菜、これらを使った食品・化粧品の中のGRP量を明らかにしてきました。GRP量がわかってくると、今度は果物や野菜のどこにGRPが多いのか、どの成熟段階でGRPが多いのか、何を刺激にして増えるのかに興味が湧いてきます。それらが判明すれば、GRPの少ない部分を選ぶことで 、アレルギー患者さんでも果物・野菜が食べられたり、GRPの少ない果物・野菜の開発などにつながるかもしれません。この解明には、DNAを採取・増幅させて量を測定するPCR(Polymerase Chain Reaction)法が適しています。コロナの診断にも使われていますので、聞いたことありますよね。

Q:研究の結果、どのようなことが分かったのでしょうか?

モモの部位ごとや成熟段階ごとのGRP量をPCR法で測定した結果、モモは皮よりも実の方がGRP量が多いこと、実の成熟につれてGRP量が増えていくことがわかりました。また、ブドウやトマト、ウメ、ナシやイチゴなど、まだ抗体が取れていない果物・野菜で、GRPの量を測定することにも成功しました。おもしろいことに、未熟なモモの実やウメの仁(種の中)から、GRPによく似たGRP2も発見できたのです。これらの結果は、GRPの生理機能、発現量の調節、アレルギーの治療や予防に貴重な情報をもたらすと考えています。さらにPCR法の導入は、GRP以外のアレルゲンにも応用が可能です。

Q:研究で大変だったことは?

私達は20数年間、モノクローナル抗体を使った果物・野菜に含まれるアレルゲン量の測定を中心に研究を進めてきました。研究をさらに発展させるためには、抗体が取れていないアレルゲンの測定を進めることが必要でしたし、遺伝子レベルでアレルゲンの特性を知りたくなりました。そこで、5年前からPCR法を導入することにしました。しかし、研究室としてはまだ前例がない方法だったので、実験手法の確立がとても大変でした。
それでも研究室のチーム全員で力を合わせて試行錯誤を重ね、何十、何百ものデータを積み重ねたことで、今回の研究成果に結びつけることができました。

Q:想いなどがあればお聞かせください!

今回この賞をいただくことができたのは、歴代の抗体を使った研究データとPCR法によるデータが融合し、果物・野菜アレルギーの治療に重大な情報を与えることと、この研究の将来性を認めてもらえたからだと思っております。
しかし、解明したいことはまだまだ山積みです。GRP量とアレルギー症状の関連性、花粉症との関係、何を刺激に増えるのか、GRP2とは何者なのか…。ワクワクしますね!

 

左:河合先生 右:成田先生

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