栄養士の資格、どう活かす?


栄養士の資格って?

京都栄養医療専門学校では、2年制の栄養士科を卒業すると栄養士の国家資格を取得することができます。また、4年制の京都専門職大学 栄養マネジメント学科(※)を卒業すると、栄養士の国家資格だけではなく、管理栄養士国家試験の受験資格を得ることができます。ここでは、栄養士という資格について、概要をお伝えします。

栄養士

栄養士とは、栄養士法という法律で定められた国家資格です。厚生労働省の統計によると、全国の栄養士数は平成27年現在、累計でおよそ104万人だったそうです。毎年、およそ2万人の新しい栄養士が誕生しています。

栄養士の資格は、栄養士養成施設(国からの指定あり)で2~4年間学ぶことで、卒業と同時に取得することができます。都道府県知事への申請は必要ですが、専門の養成学校を卒業すれば、栄養士として働くために必要な知識や技能が、身に付いていると判断され、資格試験なしで取得できる国家資格です。

栄養士の養成施設には、高校卒業資格または高校卒業同等程度であれば、入学することができます。中には、家族が病気になったことをきっかけとして「栄養」に興味をもち、別の仕事をしていた社会人が退職して、栄養士を目指すために入学することもあります。

また、栄養士の資格を取得した後、栄養士として、一定期間の実務経験をつめば、管理栄養士の受験資格を得ることができます。

栄養士の仕事は主に、一般的な栄養指導、学校や保育園などの集団給食の献立作成・栄養と食事の管理のほか、調理師への調理方法の改善指導などを行います。また、市町村の施設(保健所や保健センター)などで、生活習慣病予防などに関する栄養相談やアドバイスを行います(市町村の公務員になることを、行政栄養士と呼ぶこともあります)。

管理栄養士

管理栄養士も栄養士と同様、栄養士法という法律で定められた国家資格です。厚生労働省の統計によると、全国の管理栄養士数は平成27年現在、累計でおよそ20万人、毎年およそ1万人の新しい管理栄養士が誕生しています。管理栄養士の資格は、栄養士の資格よりも後から出来ました。栄養士という国家資格ができたのは、栄養士法が制定された1945年ですから、今から70年以上も前になります。一方の管理栄養士という資格ができたのは、1962年です。しかしこの時はまだ、今のような管理栄養士の仕事内容は、定められていませんでした。2000年に栄養士法が改正され、栄養士は都道府県知事の免許を受けた国家資格、管理栄養士は厚生労働大臣の免許を受けた国家資格となり、それぞれの仕事の内容も明記されました。

管理栄養士の資格は、2つのルートで取得することができます。

まず一つ目は、栄養士養成施設(国からの指定あり)で2~4年間学び、栄養士の資格を取得後、一定期間の栄養士実務経験をつむことで、管理栄養士国家試験の受験資格を得るという方法です。栄養士の養成施設に通った年数にもよりますが、学校に通った年数と実務経験の年数を足して5年間を要します。つまり、2年の栄養士養成施設に通った人は3年間の実務経験、4年間の栄養士養成施設に通った人は1年間の実務経験が必要となります。

二つ目は、最初から管理栄養士養成施設で学ぶことです。この場合、卒業と同時に、栄養士の国家資格と、管理栄養士国家試験の受験資格を取得することになります。

管理栄養士の仕事は主に、病気やケガで傷ついた人に対し、療養を目的とした専門的な知識を必要とする栄養指導を行ったり、集団給食の管理業務や労務管理調理師や栄養士への指導を行います。また、都道府県や保健所(およびそれを管轄する自治体)へ就職すれば、その地域の住民に対して専門的な栄養指導を行います。

 栄養士に関係する試験や資格アレコレ

栄養士や管理栄養士の養成施設で学んでいると、「栄養」に関する試験や他の資格も取得できる可能性があります。いずれも「栄養」や「食」に関する仕事をする上では、役に立つ試験や資格です。

栄養士実力認定試験

これは、「一般社団法人 全国栄養士養成施設協会」が実施している民間資格で、「栄養士・管理栄養士の養成施設(学校)に通っている学生や卒業生が、自分自身の知識・実力を知るための認定試験」です。

受験資格は次のようになっています。

  1. 栄養士・管理栄養士の養成施設の最終学年で栄養士資格取得見込
  2. ただし、4年制養成施設の学生は、3年次でも受験可能

京都栄養医療専門学校の場合、2年制の栄養士科と4年制の管理栄養士科がありますので、

  • 2年制の栄養士科 : 2年生の12月
  • 4年制の管理栄養士科 : 3年生または4年生の12月

このタイミングで受験することができます(出願は10月中旬締切)。

出題範囲としては、以下の14科目です。

  • 公衆衛生学
  • 栄養学各論(応用栄養学)
  • 生化学
  • 公衆栄養学概論
  • 食品衛生学
  • 栄養学総論
  • 解剖・生理学
  • 栄養指導論
  • 食品学各論(食品加工学を含む)
  • 給食管理論(給食計画論、給食実務論)
  • 社会福祉概論
  • 臨床栄養学概論
  • 食品学総論
  • 調理学

尚、平成29年度からは科目別の問題に加え、総合力を試す問題も出題されているようです。

実際の出題問題は、「栄養士実力試験ガイドライン」より出題されています(平成26年度より)。

専門士(衛生専門過程)

「専門士(せんもんし)」とは、一定の要件を満たす専門学校の2~3年制の学科を卒業した者に授与される称号」です。つまり、京都栄養医療専門学校で、2年生の「栄養士科」を卒業した人が、これに該当します。例えば、大学を卒業すると「学士」、大学院を卒業すると「修士」や「博士」という称号が付与されます。これに対し、専門学校を卒業した場合に付与されえるのが「専門士」です。

専門士には、8つの分野が定められています。

  • 工業 (Technology)
  • 農業 (Agriculture)
  • 医療 (Medical Care)
  • 衛生 (Personal Care and Nutrition)
  • 教育・社会福祉 (Education and Welfare)
  • 商業実務 (Business)
  • 服飾・家政 (Fashion and Home Economics)
  • 文化・教養 (Culture and General Education)

栄養士科の場合は、このうちの「衛生 (Personal Care and Nutrition)」に該当します。

食育栄養インストラクター

食育栄養インストライクターとは、「食育」の推進に貢献できる栄養のプロであると認められる資格です。

この資格を取得していると、地域や職場、子どもたちへの「食育」に貢献できる栄養士として、認められたことになります。保育園栄養士コースを専攻する人や、将来、児童福祉施設で働きたいと考えている人には、ぜひ取得を目指して頂きたい資格です。

資格を取得するには、養成施設において、「食育栄養インストラクター資格認定に必要な授業科目」を受講し、社団法人 全国栄養士養成施設協会 栄養士実力認定試験を受験し、「認定証A」を取得する必要があります。

この資格を取得するために必要な履修科目としては、次のようなものがあります。

  • 食育
  • 食生活と文化
  • 食の安心・安全と衛生
  • 食品の選択と特性
  • 栄養の特性と管理
  • 食(調理)と心理
  • フードシステム
  • 食育実践

例えば、食の安心・安全と衛生であれば、「食の安全・安心、安全性と危険性の見極め、食品添加物、賞味期限・消費期限、施設・設備の衛生、リスクコミュニケーション、保存方法、食物アレルギー 食中毒の予防、リスク評価」などを学ぶ必要があります。

栄養士の資格、どう活かす?

選べる働き方

栄養士と一言でいっても、その修業課程の中でさらに取得を目指せる資格がありますし、「食」や「栄養」に関わる仕事は、世の中にたくさんあります。京都栄養医療専門学校では、栄養士科の中に4つのコースを開設していますので、「栄養士になること」が目標ではなく「栄養士としてどのような仕事をしたいのか」を、具体的にイメージしながら学ぶことができます。

京都専門職大学 栄養マネジメント学科(※)にも、様々な専門プログラムがあり、4年生では、自分のイメージする「働き方」に合わせ、カリキュラムを選択できます。

栄養士、管理栄養士としての働き方は様々。いずれの道に進みたいのか、それはなぜかなどを考えながら、自分が目指す栄養士像をイメージしてみてください。

【病院福祉栄養】

「臨床栄養」について学び、病院に入院、通院している患者さんやそのご家族、あるいは社会福祉施設(高齢者施設等もここに含まれます)の利用者さんに対し、病気の治療や予防のためにもっとも適した栄養指導、食事療法を行うための知識とスキルを習得します。

同時に、病院や福祉施設で働くために必要な「コミュニケーション能力」を養う専門プログラムも設定されています。病院や福祉施設では、患者さん(あるいは利用者さん)を中心とし、さまざまな職種の医療スタッフが連携をとる「チーム医療」という体制が一般的です。医師や看護師など、医療のプロたちとスムーズに連携していくことが必要です。そのために必要なのがコミュニケーション能力。単に話をするだけではなく、相手の言動の背景を読取り、栄養士としての意見を述べながら、患者さん(あるいは利用者さん)にとって一番良い方法を追求していくことになります。

【スポーツ栄養】

スポーツの分野でも、「栄養」の果たす役割は大きなものです。アスリートへの栄養指導や食事メニューへのアドバイスが適確であれば、アスリートは今よりもっと強靭なからだと強い精神力を養えるかもしれません。幅広い競技種目の特性を学び、ケガや体調不良にも柔軟に対応できる、応用力を伸ばしていきます。

【フード・食品開発・研究】

「食品学」を中心とし、食べ物と健康の関係について学びます。自分が開発する食品は本当に安全なのか、一般の人に受け入れられる食品になるのか、食品の特徴や成分、製造工程など理解しながら、食品の開発能力を伸ばします。

【給食マネジメント】

調理の技能を磨き、献立(メニュー)の作成から調理まで、さまざまな業務を担当できるスキルを身に付けます。給食と一言で言っても、学校に対するものか、企業に対するものか、病院に対するものかなどで、実際に考慮される「栄養」は違ってきます。こうした「給食を実際に食べる人」の背景に配慮しながら、もっとも適した「栄養」にこだわり、給食の調理を行います。

【保育園栄養士】

保育園では、昼食やおやつ、場合によっては夕食における栄養管理を行います。献立を考え、調理や配膳を行い、食材の発注などの事務的な仕事も行うことがあります。その保育園に通う子供たちの年齢により離乳食に対応することもありますし、アレルギーを持つ子供への給食など、保護者との面談などが必要となることもあります。

この他、子供たちへ食の大切さ、食べることの楽しさなどを教えるため、子供たちと一緒に行う調理体験を企画したり、最近では「自分たちで野菜を育てる」保育園もありますので、こうした食材を使いながら「命をいただく」ことを、子供たちに教えることもあります。

 

幅広い働く場所

栄養士が活躍できるフィールドは、とてもたくさんあります。その一例をあげてみます。

  • 給食会社:主に、学校給食、施設や病院などへの給食などに関わります。
  • 保育園、自治体:子どもたちの給食や食育、地域住民への食育や栄養相談などに関わります。
  • 健康産業:健康食品の開発、アスリートへの栄養管理、スポーツジムなどでの栄養管理などに関わります。
  • 食品会社:新しい食品の開発に関わったり、安全な食品を提供する過程などに関わります。
  • 外食産業:お客さんに提供するメニューやレシピの考案し、実際の調理を行うこともあります。
  • 社会福祉施設:高齢者施設や児童福祉施設などで、栄養管理、献立の作成、調理などに関わります。

いかがでしょうか。栄養士、管理栄養士の資格は、「栄養」という人が生きるためにもっとも重要なことを中心に、人の健康に関わる仕事に活かすことができます。「栄養管理」や「栄養指導」という言葉には、多くの取り組み方や関わり方があり、これまでも多くの栄養士、管理栄養士が、さまざまなフィールドで活躍しています。

栄養士、管理栄養士という資格を取得することだけを目標とするのではなく、「その資格をどう活かすのか」を考えながら、自分の夢を実現できると良いですね。
(※)京都専門職大学(仮称)は設置認可申請中です