病院を支えている仕事、知っていますか?


“病院”とは、言うまでもなく病気やケガなどの「からだやこころの不調」を診断・治療するところですよね。
こうした“病院”を支えている仕事というと、どうしても診断や治療そのものを担当する医療スタッフの仕事に目が向きがちです。
もちろん医療行為を行えるのは医療スタッフにしか認められていないわけですが、他にもこんな仕事があるよ!ということを、今回はお伝えしていきたいと思います。

病院を支える仕事は、医師と看護師だけではない

“病院を支える仕事”=“病院でスペシャリストとして働く人”
あなたが病院受診することをイメージしてみると分かりやすいかもしれません。
仮に外来診療ではどのような仕事をするスペシャリストに出会うでしょうか?

まずは受付で今日の受診を申し込みます。あなたの個人情報や健康保険証の提示を求められるでしょう。
この時にカウンターで対応する人が「受付」ですね。
受診の申込をして待っていると、記入した問診票の内容について「看護師」が確認にきます。
病院によっては「クラーク」かもしれません。

診察室に入ると「医師」「看護師」の他に、診察中の医師との話の内容や検査の指示を入力している「医師事務作業補助者」がいる場合があります。この人は「ドクターズクラーク」と呼ばれることもあります。
血液検査を受ける場合は「臨床検査技師」のお世話になります。
検査室には「インフォメーションスタッフ」という名札を付けた人が案内してくれました。
これは「クラーク」の業務のひとつになっている病院もあります。

このスタッフが他の患者さんを画像診断室に案内しているのも見かけ、「放射線技師」が声を掛けていました。
検査が終わると「内科受付」から再度診察室に入るようアナウンスを受けました。
あなたはすべての診療を終え、会計カウンターでは「会計」の人から処方箋を受け取り、会計を済ませました。
ここまでであなたは受付、看護師、クラーク、医師、医師事務作業補助者、臨床検査技師、放射線技師、内科受付、会計と、病院で仕事をする人たちと関わりましたよね。

他にも患者さんから見える仕事には、作業療法士、理学療法士、臨床心理士などがあります。
手術や入院をする場合は、臨床工学士や管理栄養士といったプロが存在しています。

病院の業務を支える仕事

これら患者さんから“見える仕事”の他に、患者さんから“見えない・見えにくい仕事”もあります。いわば裏方の仕事で、こうした裏方さんも病院の業務を支えています。そのいくつかをあげてみます。

医療秘書

医師の事務作業を代行したり、研究データの整理、医師や医局のスケジュール管理、文献の検索や管理、来客応対などの秘書業務全般をおこないます。
医局や医師の部屋は患者さんや利用者は立ち入ることができない場所にあることが多いので、そこでの仕事は一般の人たちからはどうしても見えにくいものです。
特に医師は診療行為以外にもやるべき業務が多く、紹介状の作成やカルテ記入、処方箋作成などの事務作業に関しては、専門の事務員が代行することが可能になっています。
医療秘書もおこなってきていた、こうした業務をおこなう人を特に「医師事務作業補助者」と呼んでいます。
“見える仕事”でも紹介しましたが、医局や専用の部屋で業務をおこなっている病院もあります。

レセプト業務

受診した医療に対して「会計」で支払いをしますが保健内での診療の場合、全額を払っているわけではありません。
その患者さんに対して決められた2割や3割などの自己負担割合に応じて支払っており、残りの7割や8割については、必要な書類を作成し、病院への収入を得るために、健康保険の審査支払機関に請求します。
この請求書は診療報酬明細書(=レセプト)といい、これらの負担額の計算、書類作成、点検、請求、請求後の処理を行うのが、レセプト業務です。レセプト業務は病院の収入に影響する重要な仕事です。

診療情報管理士

患者さんの診療情報を集約し、管理、運用する仕事です。
毎日多くの患者さんが来院する病院では、その診療の分、その記録が蓄積されていきます。
その記録は患者さん個人の氏名や住所などの基本情報から、カルテに残されている診療の記録、検査データや紹介状など、非常にたくさんの情報がありますが、それらの多くはコンピュータを利用して記録されています。
こうした情報を安全に管理し、効率化や医療の質の向上や発展に役立つように運用・活用していくのが医療情報管理士です。
また病院内で利用しているシステムを構築・導入したり、保守業務をおこなう、情報処理の専門性の高い医療情報技師というスタッフもいます。

病院をサポートする仕事でスペシャリストになろう!

病院を支える仕事は医師や看護師などの医療スタッフ以外にもたくさんあります。
医療以外の形で病院を支えることはできるということです。
こうしたプロと同じ場に立って仕事をする以上、誇りと自信をもって仕事ができる、その道のスペシャリストでありたいですよね。

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